高齢者の転倒リスクを考える! 高齢者の転倒リスクや、転倒予防の方法、関連資格などを紹介しているサイトです。介護士として役立つ情報がまとめられているので、ぜひ参考にしてください。
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どれだけ注意して取り組んでいても、転倒を完全に防ぐことはできません。そのため、万が一転倒した場合の正しい対処法についても知っておく必要があります。転倒した高齢者の状態をきちんと把握し、必要な応急処置を施せるようになりましょう。
高齢者が転倒した際は、まずは名前を呼んで返答が返ってくるかを確認してください。返答がなく、意識レベルの低下や呼吸の停止などが見られる場合は、早急に連絡して応援を呼び、救急車を手配してください。返答があり、意識レベルやバイタルサインに問題がない場合でも、傷による出血や骨折による身体のゆがみなどがないか、負傷箇所を確認してください。その上で、事業所へ連絡して応援を呼び、医療スタッフへの報告や救急車などの対応について指示を受けます。
転倒によって頭や首、背中などを強く打っている場合、頸椎を損傷しているか脳震盪を起こしている可能性があります。そのため、頭を動かさずに安静を保つ必要があります。硬膜の内側で出血が起こる硬膜下出血を起こしている可能性もあり、その場合は時間が経過してから症状が出ることも少なくありません。脳震盪についても、意識を失わないケースがほとんどです。そのため、転倒した本人が「大丈夫」といっても、必ず医療スタッフの指示を仰ぎ、病院で検査する必要があります。
高齢者が転倒した際に特に多いのが、骨折です。強い痛みや腫れ、変形、脱力、しびれなどの症状がある場合は、骨折している可能性が高いです。高齢者の多くは骨粗鬆症にかかっているため、小さな衝撃でも骨折します。特に、背骨や太腿の付け根、肩、手首などは骨折しやすい箇所なので注意しましょう。医療スタッフの指示や救急車を待っている間は、状態が悪化しないように安静を保たなければなりません。骨折した箇所を冷やしながら、その箇所を心臓よりも上の位置にキープします。
転倒時にやってはいけないことについても知っておきましょう。転倒した本人の意識があり、動けるからといって、大丈夫と判断してはいけません。転倒で頭を打っていた場合、脳震盪や硬膜下出血を起こしている可能性があるからです。また、高齢者は感覚が鈍っており、それほど痛みを感じていないケースも考えられます。特に、認知症の高齢者は自分の状況や症状を上手く伝えられないので、介護士が冷静に状態を観察し、判断しなければなりません。全身状態や患部の状態をきちんと観察し、受診を前提に対応する必要があります。