転倒を予防するには
更新日:
2023/06/16

転倒を予防するには

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日常生活における転倒予防

転倒を予防するための対策としてまず挙げられるのが、環境整備です。転倒の原因となるものを極力減らしましょう。床や階段に障害物を置かず、明るく見やすい照明に変えます。段差を減らし、コード類はまとめて邪魔にならないようにしてください。慣れた環境ではつい油断しがちになるため、日頃から整理整頓することが大切です。ケーブルカバーや滑り止めシートなどの転倒防止グッズも活用しましょう。
また、高齢者の状態を常に把握しておかなければなりません。現在の体調や心身の状態などを把握し、サポート体制を整えていきましょう。持病や認知症の状態なども把握しておく必要があります。服用している薬や日々の行動なども細かく把握しておけば、内的要因による転倒を防げます。
衰えた身体機能を維持するためには、運動も大切です。これは、高齢者本人にも取り組んでもらう必要があります。転倒しないためには、身体のバランスを保つ、あるいは立ったり座ったりするための筋力を鍛えなければなりません。重要なのは、下肢の筋肉や体幹の強化です。腿上げや踵立ちなどの、椅子に座ったままでもできる軽い運動から取り入れましょう。それを、ケガのない範囲で継続的に行います。

介護施設における転倒予防

介護士として、介護施設において意識すべきポイントも知っておきましょう。介護施設で最も多い事故は、「転倒・転落・滑落」です。介護施設で起こる事故の割合の内、65%を占めています。特に発生しやすいのは、他の利用者の介助中など、介護士の観察が手薄になった瞬間です。
日々の業務において意識すべき点としてまず挙げられるのが、管理体制の見直しや強化です。見守り中や他の利用者への介助中など、目を離した隙に転倒するケースが多いため、定期的な管理体制の見直しは必須です。また、利用者から日常生活に関するヒアリングを行いましょう。介護施設での生活において、利用者本人が危険だと感じる場所や場面がないかをヒアリングし、その内容をチーム全体で共有してください。改善点がある場合は、即座に対応しましょう。
また、設備や福祉用具の安全性を定期的に確認します。チェックリストを作成し、全体に共有した上で、事故につながるリスクの高い設備を交換するなどの対応が必要です。一部の職員だけでなく、全員が配慮できるように取り組まなければなりません。
歩行時や移乗時など、転倒する可能性の高い場面を想定し、シミュレーションする機会を設けることも大切です。転倒の危険性と対応マニュアルを周知し、全員が安全な方法で利用者を介助できるように徹底します。

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